製品紹介
HPLCカラム

カプセルパック取扱説明書

  • カプセルパック取扱説明書
  • カプセルパックNH2取扱説明書
  • ミクロカラム取扱説明書

カプセルパック取扱説明書

このたびは、ポリマーコート型高性能充填カラムCAPCELL PAKをお買い求めいただきありがとうございます。

CAPCELL PAKは、多孔質球状シリカを単一層のシリコーンポリマー薄膜でコーティングする技術とオクタデシル基(C18)等各種の官能基を結合させる技術から生み出された高性能充填剤を充填したカラムです。シリカ系充填剤のもつ高分離能、耐圧性とポリマー系充填剤のもつ耐久性、これらの長所を併せ持つ画期的な充填剤です。

CAPCELL PAKを長期間、安定してご使用いただくため、この取扱説明書をご熟読の上、正しくご使用いただきますようお願いいたします。

1.カラムの取扱い

  1. カラムに強いショックを与えると劣化の原因となりますので、丁寧に取り扱ってください。
  2. カラムの取りつけ取りはずしは、圧力計の指示がゼロの状態で行ってください。
  3. カラムの最大使用圧力

    ※各カラムの最大使用圧力はカラムインデックス(仕様一覧表)をご確認ください

2.カラムの取りつけ

  1. カラムのジョイントは外径1/16インチのチューブ用のメールナットタイプになっています。装置の配管ジョイントが正しく合っていることおよびフェラルの先のパイプがジョイントの奥まで入っていることを確かめてください(図-1参照)。
  2. 2. カラムを取りつける前に、装置配管内の液を使用する移動相に置換してください。
    ※カラム出荷時溶媒(カラムに同梱のカラムレポートに記載)をご確認の上、塩の析出などにご注意ください。
  3. カラムは、カラムラベルの矢印の方向に従って取りつけてください。

3.分析

3-1.移動相について

  1. 使用できる溶媒の種類は、一般のシリカゲル系化学結合型カラムで使用される溶媒と同じです。
  2. CAPCELL PAKが使用できるpH範囲は、結合相により異なります。

    ※使用pH範囲カラムインデックス(仕様一覧表)をご確認ください

    使用可能pH範囲は、保持時間と理論段数が早期に減少しないことを評価基準にしています。
    カラムの早期劣化を防ぐため、移動相のpHは使用pH範囲を超えないようにご注意ください。また、pHを大きく変更することは再現性の低下、カラムの早期劣化につながります。
    有機溶媒含量が少ない、カラム温度が高い等の条件下では、耐酸・耐アルカリ性が低くなります。

    ※測定温度、移動相の有機溶媒含量により異なります。
    ※C 1、CN充填剤は、官能基が短い分C8やPhenylに比べると耐久性が弱くなります。

  3. 移動相は、ろ過(0.45µm以下のフィルター)し不溶物やゴミを除去した後、脱気してください。
  4. 異物の混入によるカラムインレットフィルターの詰まりを防ぐため、ラインフィルターのご使用をおすすめします。
  5. 新品のカラムには、同梱されるカラムレポートに示す溶媒が封入されています。塩を含む移動相を使用する場合は、塩が析出しないよう置換手順にご注意ください。
  6. 移動相にイオンペア剤などの界面活性剤を添加すると、カラム寿命が若干短くなります。
  7. AQ以外のC18カラムでの水系100%移動相の連用は、再現性の低下を招きます。
  8. C18 AQ、ADME-HRは、水系100%移動相を使用する場合、条件によっては寿命が極端に短くなることがあります。水系100%移動相のご使用においては、酸性条件下でリン酸緩衝液を用いた場合にカラム寿命が延びることが知られています。
  9. 一般的に次のような使用方法は、カラムを劣化させることになりますので避けてください。
    • pHを大幅に変化させるなど、移動相の頻繁な変更
    • カラム耐圧を超えるカラム圧における連続使用、または、数MPaを超える急激な圧力変化

3-2.試料溶液の調製について

  1. 試料はできるだけ移動相に溶解して分析してください。
  2. 料溶液に溶出力の強い試料溶媒を使用すると、ピークがブロードになることがあります。
  3. 試料が移動相に溶け難い時、良溶媒に溶解した試料を注入するとカラム内で試料が析出し、カラム圧が急激に上昇することもありますのでご注意ください。
  4. 試料溶液のpHは、カラムの使用可能pH範囲を超えないように設定してください。

3-3.分析上の注意点

(1)C18,C8,Phenyl,C1およびCNをご使用の場合
  1. ガードカラムは、メインカラムと同一の充填剤のものをご使用ください。異種充填剤や他社シリカゲル系化学結合型充填剤のガードカラムを使用すると、正常なピークが得られないことがあります。
  2. 中性領域でプロトン化している塩基性化合物を分析する場合、移動相中の緩衝液濃度が高いほど、有機溶媒含量が高いほど、温度が高いほど、ピーク形状が良好になります。
  3. 強酸性またはアルカリ性の移動相を使用した後は、塩基性化合物のピーク形状が悪くなることがあります。
(2)CRをご使用の場合

CR充填剤はC18充填剤とSCX充填剤を混合充填したカラムです。そのため、逆相分配モードとイオン交換モードの2つのモードで分離が行われます。イオン交換モードでは一般的に下記のような点により溶離挙動が変化します。

  • pH (試料のイオン解離を十分に行うためにpHはpKaより2.0以上離すことが理想的です。)
  • 塩濃度
  • 有機溶媒量
  • 塩の種類

4.カラムの保存

  1. 付属のプラグで密栓し、温度変化の小さい冷所に保存してください。
  2. TFA等有機系の強酸やアルカリ(pH>8)を含む溶媒を使用した後は、その溶媒と同一組成の有機溶媒と水の混液で置換してください(水のみでの置換は避けてください)。1週間以上の長期保存の場合は、さらにアセトニトリルで置換してください。
  3. 1ヵ月以上の長期保存をする場合は、塩が析出しない溶媒を通液後、出荷時溶媒に置換し、密栓をした状態で冷暗所にて保存してください。
  4. カラムの洗浄には、極力100%水は使用しないでください(3-1-7参照)。

5.カラム接続について

配管方法は図-1に従って行ってください。配管が不適切の場合、特に異種カラムに使用したチューブをそのまま使用される時は、フェラルより先の長さ(図-1のV)がエンドフィッティングの長さ(図-1のL)と異なることが多く、トラブルの原因となります。

※各カラムのエンドフィッティングは、カラムインデックス(仕様一覧表)をご確認ください

L>Vの場合、デッドボリュームを生じ、ピークのブロードニング、テーリングが起こったり、分離が悪くなったりすることがあります。

L<Vの場合、フェラルが密着しないため、液モレを生じます。 したがってカラムの交換と同時にフェラルを交換されることをおすすめします。

※頻繁にカラムの交換を行ったメールナットは、フェラルがつぶれて液モレを生じることがあります。このような場合に強くしめすぎると、ナットの頭部が切れる恐れがありますので早めにフェラルを交換してください。

図-1.カラムの接続

図-1.カラムの接続

6.トラブルと対策について

高速液体クロマトグラフによる測定時のトラブルにはさまざまな原因があり、そのすべてを列挙することは不可能ですので、ここではカラム及びその周辺で比較的起こりやすいものを示します。

トラブルの現象 原因 対策
1.カラム圧の上昇 異物のつまり
1.溶媒、試料溶液中のゴミ、不溶物
2.配管内の水あか
3.プランジャーシールの破片
4.サンプル成分の析出
・フィルターを超音波で洗浄する、または交換する
・溶媒、試料溶液を予めメンブレンフィルターでろ過する
・ラインフィルターを装着する
・配管の清掃とプランジャーシールを交換する
・移動相でサンプル溶液を調製する
2.ピーク割れ、テーリング、ブロードニング 1.配管ミスによるデッドボリュームの発生
2.移動相条件が不適切
・イオン抑制法:抑制不十分(サンプル量過多)
・イオンペア法:イオンペア剤の濃度不足(サンプル量過多)
3.カラムの劣化
※カラムの劣化や充填層にボイドが発生した場合、修復は不可能です。
・配管を一度外し再度接続する
・pH、塩濃度、サンプル量等の検討
・イオンペア剤濃度、pH、サンプル量等を検討する
・検定用の標準溶液でカラム性能を確認する
3.保持時間が遅くなった、あるいは安定しない 1.液モレ(ポンプの圧力メーターの動きで判断できます)
2.移動相条件が不適切
3.カラムの安定化時間の不足
・ポンプ、配管系の液モレを調べる
・十分な安定化時間をとる
4.保持時間が早くなった 1.強酸やアルカリの使用による結合基の切断(劣化)
2.移動相条件が不適切
3.カラムの安定化時間の不足

・十分な安定化時間をとる

CAPCELL PAKは厳密な性能チェックの後出荷しています。万一不良がありました場合は、お手数ですが弊社もしくは販売代理店までご連絡ください。ただし、カラムの寿命に関する事項やこの取扱説明書に従わずご使用された場合は、保証の責を負いかねますのでご了承願います。
商品は、お受け取り後10日以上経過した場合、良品受領とさせていただきます。それ以降のお取替えはできかねますので、ご了承ください。

2008年10月1日
更新 2020年10月30日

ページの先頭へ戻る