このたびは、ポリマーコート型高性能充填カラムCAPCELL PAKをお買い求めいただきありがとうございます。
CAPCELL PAK NH2は、多孔質球状シリカを単一層のシリコーンポリマー薄膜でコーティングし、さらにアミノ基を結合させた充填剤を充填したカラムです。本カラムは、アミノ基による弱アニオン交換モードとヒリックモードの機能をもつカラムです。CAPCELL PAK NH2を長期間、安定してご使用いただくため、この取扱説明書をご熟読の上、正しくご使用いただきますようお願いいたします
カラムのジョイントは外径1/16インチのチューブ用のメールナットタイプになっています。
CAPCELL PAK NH2の分離は、主としてアミノ基による弱アニオン交換モードとヒリックモードにより行われます。従来のアミノカラムでは分離できない、あるいは分離不十分な試料は、まず、従来と同一の移動相で確認後、3-1.6.、7.をお試しください。
アラントインは、pH2~8の範囲ではイオン化しませんが、移動相にリン酸緩衝液を用い、ヒリックモードで分析することが可能です。
移動相例:25mmol/L KH2PO4 / CH3CN = 20 / 80, pH2 (H3PO4)
配管方法は図-1に従って行ってください。配管が不適切な場合、特に異種カラムに使用したチューブ(SUS仕様)をそのまま使用される時は、フェラルより先の長さ(図-1のV)がエンドフィッティングの長さ(図-1のL)と異なることが多く、トラブルの原因となります。L>Vの場合、デッドボリュームを生じ、ピークのブロードニング、テーリングが起こったり、分離が悪くなったりすることがあります。
L<Vの場合、フェラルが密着しないため、液モレを生じます。したがってカラムの交換と同時にフェラルを交換されることをおすすめします。
※頻繁にカラムの交換を行ったメールナットは、フェラルがつぶれて液モレを生じることがあります。このような場合に強くしめすぎると、ナットの頭部が切れる恐れがありますので早めにフェラルを交換してください。
PEEK仕様の配管をご使用される場合は、配管の先端がジョイントの奥まで入っていることを確かめてください。
図-1.カラムの接続
高速液体クロマトグラフによる測定時のトラブルにはさまざまな原因があり、そのすべてを列挙することは不可能ですので、ここではカラム及びその周辺で比較的起こりやすいものを示します。
トラブルの現象 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
1.カラム圧の上昇 | 異物のつまり 1.溶媒、試料溶液中のゴミ、不溶物 2.配管内の水あか 3.プランジャーシールの破片 4.サンプル成分の析出 |
・溶媒、試料溶液を予めメンブレンフィルターでろ過する ・ラインフィルターを装着する ・配管の清掃とプランジャーシールを交換する ・移動相でサンプル溶液を調製する |
2.ピーク割れ、テーリング、ブロードニング | 1.配管ミスによるデッドボリュームの発生 2.移動相条件が不適切 3.カラムの劣化 ※カラムの劣化や充填層にボイドが発生した場合、修復は不可能です。 |
・配管を一度外し再度接続する ・pH、塩濃度、サンプル量等の検討 ・検定用の標準溶液でカラム性能を確認する ※酸性条件での使用履歴があるNH 2カラムでは糖の保持時間・ピーク形状が変化します。 |
3.保持時間が遅くなった、あるいは安定しない | 1.液モレ(ポンプの圧力メーターの動きで判断できます) 2.移動相条件が不適切 3.カラムの安定化時間の不足 |
・ポンプ、配管系の液モレを調べる ・3-1参照 ・十分な安定化時間をとる |
4.保持時間が早くなった | 1.強酸やアルカリの使用による結合基の切断(劣化) 2.移動相条件が不適切 3.カラムの安定化時間の不足 |
─ ・3-1参照 ・十分な安定化時間をとる |
CAPCELL PAK NH2は厳密な性能チェックの後出荷していますが、万一不良がありました場合は、お手数ですが弊社もしくは販売代理店までご連絡ください。お取替えします。
ただし、カラムの寿命に関する事項や前記取扱注意事項に従わずご使用された場合は、保証の責を負いかねますのでご了承願います。
商品は、お受け取り後10日以上経過した場合、良品受領とさせていただきます。それ以降のお取替えはできかねますので、ご了承ください。
2011年4月21日
更新 2020年10月30日