高極性化合物の保持を諦めかけてしまったあなた、LC-MSでの高極性化合物分析にチャレンジしたいあなたに、高極性化合物の大きな保持とシャープなピークをお届けします。
どうしても逆相カラムでは保持ができない…そのような高極性化合物の分析に悩まされたことはござませんか?
諦めてしまう前に、HILICモードのカラムを上手く活用して、そのような高極性化合物の分析にチャレンジしてみませんか?
HILICはHydrophilic Interaction Chromatographの略称で、親水性相互作用により逆相モードとは逆の順序でサンプルが保持されます。大阪ソーダのPC HILICは、官能基としてホスホリルコリン(PC)基を導入したカラムで、極性化合物の保持能に優れたカラムで、ピーク形状も良好です。
HILICモードの最大の特長は、逆相モードでも使用されるCH3CN/H2O系の移動相により、親水性化合物を保持させ分離できることです。そのため、高極性化合物のLC-MS分析も高感度に行うことが可能です。
あなたの高極性化合物の分析、諦めてしまうのはまだ早いです。
逆相モード | HILICモード | |
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保持のメカニズム | 疎水性相互作用 | 親水性相互作用 |
固定相 | C18などの疎水基 | 親水基又はシリカ |
移動相 | CH3OH / H2O, CH3CN / H2O など | CH3CN / H2O |
PC HILICは、親水性相互作用によりサンプルを保持します。親水性の固定相表面に水和層が形成され、試料の分配は移動相と水和層との間で起こります。そのため、親水性の高い極性化合物が保持されます。一方、低極性化合物はほとんど保持されず、早く溶出します。逆相モードと逆の分離パターンを示すため、逆相モードで保持が困難な極性化合物の分析に力を発揮します。下図に示すように、移動相の有機溶媒濃度を増やすことでHILICモードが発現し、極性化合物の保持が大きくなります。
PC HILICの官能基であるホスホリルコリン(PC)は細胞膜を構成する成分です。ベタイン構造を有し、高い親水性、生体適合性、タンパク質付着抑制効果を示します。
シリカ基材表面をPCで修飾することにより、HILICカラムに適した超親水性の充填剤を実現させました。超親水性の表面を持つPC HILICカラムは、保持が大きく、優れた分離能を示します。また、理論段数が高く、シャープなピークが得られます。
PC HILICでは、移動相にCH3CNを多く含みます。このため、MSを検出器とした場合にイオン化効率が上昇するため、移動相の水含有率が高い逆相系に比較して、高極性化合物の感度向上が期待できます。
官能基 | 粒子径 (μm) |
細孔径 (nm) |
比表面積 (m 2/g) |
分離モード | 使用pH 範囲 |
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ホスホリルコリン基 | 3 | 10 | 450 | HILIC | 3~7.5 |
ホスホリルコリン基 | 5 | 10 | 450 | HILIC | 3~7.5 |