製品紹介
HPLCカラム

カプセルパック MFタイプ

  • 概要
  • 価格表
  • 取扱説明書

カプセルパックMF取扱説明書

CAPCELL PAK MFは、精密に分級した高品質の球状シリカをベースとしたポリマーコート型充填剤で、疎水基(あるいはイオン交換基)と親水性基を一定の割合で結合したミックスドファンクショナル(MF)充填剤を充填した高速液体クロマトグラフィー用カラムです。

1.カラムの取扱い

  1. カラムに強いショックを与えると劣化の原因となりますので、丁寧に取扱ってください。
  2. カラムの取り付け取りはずしは、圧力計の指示がゼロの状態で行ってください。
  3. カラムの最大使用圧は15MPaです。

2.カラムの取りつけ

  1. カラムのジョイントは外径1/16インチのチューブ用のメールナットタイプになっています。装置の配管ジョイントが正しく合っていること、並びにフェラルの先のパイプがジョイントの奥まで入っていることを確かめてください(図-1参照)。
  2. カラムを取付ける前に、装置配管内の液を使用する移動相に置換してください。
  3. カラムは、カラムラベルの矢印の方向に従って取付けてください。

3.分析

3-1.移動相について

  1. 有機溶媒の濃度が20vol%を超えないようにしてください。また、有機溶媒のうちメタノールは強力なタンパク質の変性剤ですので、できるだけ避けてください。アセトニトリル、THF、IPAをおすすめします。 <基本条件>リン酸緩衝液/アセトニトリル=80/20で最初にご検討ください。
  2. カプセルパックMFの充填剤の使用可能なpH範囲は、2.0-7.5です。カラムの早期劣化を防ぐため、移動相のpHはこの範囲を超えないようにご注意ください。本カラムはアルカリ性の移動相は絶対に流さないでください。
  3. 移動相は十分脱気したのちメンブランフィルター(0.45μm以下)を通して、不溶物やゴミ等を除去してください。カラムインレットフィルターは2μmを使用しています。なお、異物によるカラムインレットフィルターのつまりを防ぐため、ラインフィルターを使用されることをおすすめします。
  4. 新品のカラムは同梱されるカラムレポートに示す溶媒が封入されています。塩を含む移動相を使用する場合は、塩が析出しないよう置換手順にご注意ください。
  5. 一般的には次のような使用方法はカラムを劣化させることになりますので避けてください。
    • 移動相の組成の頻繁な変更と相溶性の悪い溶離液へのダイレクトな変更
    • カラム入り口圧の急激な変化
    • 粘度の高い移動相の使用による高いカラム圧

3-2.試料溶液の調製について

当カラムは血清などの生体試料の分析にあたって従来のODS系カラムでの分析に比べ前処理を大幅に簡略化できます。

【カプセルパックMF】 【従来のODS系カラム】
1.血清 1.血清
2.タンパク質を沈殿させる
3.遠心分離
4.上澄み液を採取
5.抽出液の蒸発除去
6.残分を溶媒に溶かす
2.0.2μmのフィルターによる
上記サンプル溶液のろ過
7.0.2μmのフィルターによる
上記サンプル溶液のろ過
3.カラムに注入 8.カラムに注入
  1. 生体試料(血清、血漿、尿等)はあらかじめ0.2μm程度のフィルターでろ過してください。
  2. 試料はできるだけ溶離液と同一組成の溶媒に溶かしてください。

4.耐久性

  1. 分析条件、注入する試料溶液によっても異なりますが、最大累積試料注入量の目安は10mLです。

5.カラムの保存

  1. 付属のプラグで密栓し、温度変化の小さい冷所に保存してください。

6.エンドフィッティングについて

  1. 内径4.6mmまでの分析用カラムは、図-1に示すようなフィルターうめ込み式のエンドフィッティングを使用しています。フィルターのみの交換はできません。
  2. 配管方法は図-1に従って行ってください。配管が不適切な場合、特に異種カラムに使用したチューブをそのまま使用される時は、フェラルより先の長さ(図-1のV)が、エンドフィッティングの長さLと異なることが多く、トラブルの原因となります。
    L>Vの場合、デッドボリュームを生じ、ピークのブロードニング、テーリングが起こったり、分離が悪くなったりすることがあります。
    L<Vの場合、フェラルが密着しないため、液もれを生じます。
    したがってカラムの交換と同時にフェラルを交換されることをおすすめします。
    ※頻繁にカラムの交換を行ったメールナットは、フェラルがつぶれて液モレを生じることがあります。このような場合に強く締めすぎると、ナットの頭部が切れるおそれがありますので早めにフェラルを交換してください。

図-1.カラムの接続

図-1.カラムの接続

7.トラブルと対策について

高速液体クロマトグラフによる測定時のトラブルには、さまざまな原因があり、そのすべてを列挙することは不可能ですので、ここではカラムおよびその周辺で比較的起こりやすいものを示します。

トラブルの現象 原因 対策
1.カラム圧の上昇 異物のつまり
1.移動相、サンプル溶液中のゴミ、不溶物
2.配管内の水あか
3.プランジャーシールの破片
4.サンプル成分の析出
5.タンパク質の析出
・フィルターを超音波で洗浄する、または交換する
・移動相、サンプル溶液をあらかじめメンブランフィルターでろ過する
・ラインフィルターを装着する
・配管の清掃とプランジャーシールの交換
・移動相でサンプル溶液を調製する
2.ピーク割れ、テーリング、ブロードニング 1.カラムヘッドにボイド(空隙)が発生
2.配管ミスによるデッドボリュームの発生
3.移動相条件が不適切
・イオン抑制法:抑制不充分(サンプル量過多)
4.カラムの劣化
※カラムが劣化したり、内部にチャネルが発生した場合、修復は不可能です。
・配管を一度外し再接続する
・pH、塩濃度、サンプル量等の検討
・イオンペア剤濃度、pH、サンプル量等の検討
・検定用の標準溶液でカラム性能を確認
3.保持時間が遅くなった、あるいは安定しない 1.液モレ(ポンプの圧力メーターの動きで判断できます。)
2.移動相条件が不適切
・ポンプ、配管系の液モレを調べる
2-3参照
・十分な安定化時間をとる
4.保持時間が早くなった 1.強酸やアルカリの使用による結合基の切断(劣化)
2.移動相条件が不適切
3.グラジェント後安定化していない

2-3参照
・十分な安定化時間をとる

CAPCELL PAK MFは厳密な性能チェックの後出荷していますが、万一不良がありました場合は、お手数ですが弊社もしくは販売代理店までご連絡ください。お取替えします。
ただし、カラムの寿命に関する事項や前記取扱注意事項に従わずご使用された場合は、保証の責を負いかねますのでご了承願います。
商品は、お受け取り10日以上経過した場合、良品受領とさせていただきます。それ以降のお取替えはできかねますので、ご了承ください。

2008年10月1日
更新 2014年12月1日

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