このたびは、高性能コアシェル型CAPCELL CORE PCカラムをお買い求めいただきありがとうございます。
CAPCELL CORE PCカラムは、粒子径2.7µmの表面多孔性シリカ(1.7µmのコアと、表面の0.5µmのポーラスシリカ層からなる)を基材とし、単一層のシリコーンポリマー薄膜でコーティングする技術とホスホリルコリン(PC)基を結合させる技術から生み出された高性能コアシェル型充填剤を充填したカラムです。
CAPCELL CORE PCカラムを長期間、安定してご使用いただくため、この取扱説明書をご熟読の上、正しくご使用いただきますようお願いいたします。
CAPCELL COREでは、コアシェル基材を採用しているため充填剤の比表面積がフルポーラスに比較し小さくなっております。 したがいまして、フルポラース充填剤カラムからCAPCELL COREへ移行していただく際に、負荷量上限近くで分析をされているケースでは試料負荷量を減らしていただく必要がございますのでご注意ください。
配管方法は図-1に従って行ってください。配管が不適切の場合、特に異種カラムに使用したチューブをそのまま使用される時は、フェラルより先の長さ(図-1のV)がエンドフィッティングの長さ(図-1のL)と異なることが多く、トラブルの原因となります。
L>Vの場合、デッドボリュームを生じ、ピークのブロードニング、テーリングが起こったり、分離が悪くなったりすることがあります。
L<Vの場合、フェラルが密着しないため、液モレを生じます。したがってカラムの交換と同時にフェラルを交換されることをおすすめします。
※頻繁にカラムの交換を行ったメールナットは、フェラルがつぶれて液モレを生じることがあります。このような場合に強くしめすぎると、ナットの頭部が切れる恐れがありますので早めにフェラルを交換してください。
図-1.カラムの接続
高速液体クロマトグラフによる測定時のトラブルには、さまざまな原因があり、そのすべてを列挙することは不可能ですので、ここではカラムおよびその周辺で比較的起こりやすいものを示します。
トラブルの現象 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
1.カラム圧の上昇 | 異物のつまり 1.溶離液、サンプル溶液中のゴミ、不溶物 2.配管内の水あか 3.プランジャーシールの破片 4.サンプル成分の析出 |
・フィルターを超音波で洗浄するまたは交換する ・溶媒、試料溶液を予めメンブレンフィルターでろ過する ・ラインフィルターを装着する ・配管の清掃とプランジャーシールを交換する ・移動相でサンプル溶液を調製する |
2.ピーク割れ、テーリング、ブロードニング | 1.配管ミスによるデッドボリュームの発生 2.移動相条件などが不適切 3.カラムの劣化 ※カラムの劣化や充填層にボイドが発生した場合、修復は不可能です。 |
・配管を一度外し再度接続する ・pH、塩濃度、サンプル量等を検討する ・サンプル溶媒、注入量を検討する ・検定用の標準溶液でカラム性能を確認する |
3.保持時間が遅くなった、あるいは安定しない | 1.液モレ(ポンプの圧力メーターの動きで判断できます) 2.移動相条件が不適切 3.カラムの安定化時間の不足 |
・ポンプ、配管系の液モレを調べる ・十分な安定化時間をとる |
4.保持時間が早くなった | 1.強酸やアルカリの使用による結合基の切断(劣化) 2.移動相条件が不適切 3.カラムの安定化時間の不足 |
・検定用の標準溶液でカラム性能を確認する ・十分な安定化時間をとる |
CAPCELL CORE PCカラムは厳密な性能チェックの後出荷していますが、万一不良がありました場合は、お手数ですが弊社もしくは販売代理店までご連絡ください。
ただし、カラムの寿命に関する事項や前記取扱注意事項に従わずにご使用された場合は、保証の責を負いかねますのでご了承願います。商品は、お受け取り10日以上経過した場合、良品受領とさせていただきます。それ以降のお取替えはできかねますので、ご了承ください。
2012年10月1日