スクレビード Ⅰ/Ⅱ取扱説明書
このたびは、糖分析用カラムSUCREBEAD Ⅰ/Ⅱをお買い求めいただきありがとうございます。
SUCREBEAD Ⅰ/Ⅱは均一粒子径のポリマー粒子をベースとし、4級アンモニウム基を結合した陰イオン交換樹脂を充填した高速液体クロマトグラフ用カラムです。
当カラムを長期間、安定してご使用いただくため、この取扱説明書をご熟読の上、正しくご使用いただきますようお願いいたします。
1.カラムの取扱い
- カラムに強いショックを与えると劣化の原因となりますので、丁寧に取り扱ってください。
- カラムの取り付け、取り外しは、圧力計の指示がゼロの状態で行ってください。
- カラムの最大使用圧は8MPaです。
- カラムに気泡を入れないようにご注意ください。
- カラムに充填されている充填剤の耐熱性は約80℃です。
2.カラムの取りつけ
- カラムのジョイントは外径1/16インチのチューブ用メールナットタイプになっています。装置の配管ジョイントが正しくあっていること、およびフェラルの先のパイプがジョイントの奥まで入っていることを確かめてください（図-1参照）。
- カラムを取り付ける前に、装置配管内の液を使用する移動相に置換してください。
- カラムは、カラムラベルの矢印の方向に従って取り付けてください。
図-1.カラムの接続
3.分析
- 糖分析は、アルカリ条件下で糖類の水酸基が解離することを利用して行います。SUCREBEADⅡの使用可能pH範囲は2.5～14ですが、アルカリ性の移動相をご使用ください。また、有機溶媒は流さないでください。
- 移動相は、塩等が析出していないことを確認し、十分脱気した後メンブランフィルター（0.45µm以下）を通して、不溶物等を除去してください。カラムインレットフィルターは2µmを使用しています。
空気中の二酸化炭素の吸収により溶離液のpHが変化することがありますので、ご注意ください。 - 新品のカラムには同梱されるカラムレポートに示す溶媒が封入されています。
- 一般的に次のような使用方法はカラムを劣化させるもとになりますので避けてください。
- 移動相組成の頻繁な変化
- カラム圧の急激な変化
- 当カラムで安定した保持時間を得るためには、コンディショニングを十分行ってください。
4.試料溶液
- 試料はできるだけ水に溶かしてください。
- 試料溶液中に不溶物が残っている場合は、フィルター（0.45µm以下）でろ過してください。
5.カラムの保存
- 乾燥させると充填剤が収縮したり、塩が析出したりするため、付属のプラグで密栓し、温度変化の小さい冷所に保存してください。
- 保存する際は、アルカリ性水溶液で保存してください。
- 0℃以下での保管は避けてください。
6.エンドフィッティングについて
- 当カラムは、図1に示すような構造のエンドフィッティングを使用しています。フィルターのみの交換はできません。フィルターが詰まり、カラム圧が上昇した場合はエンドフィッティングを交換してください。
- 配管方法は、図1に従ってください。フェラルより先の長さ（図1のV）がエンドフィッティングの長さLと異なるとトラブルの原因となります。
L>Vの場合、デッドボリュームを生じ、ピークのブロードニング、テーリングが起こったり、分離が悪くなったりすることがあります。 L<Vの場合、フェラルが密着しないため、液モレを生じます。
したがってカラムの交換と同時にフェラルを交換されることをおすすめします。
※頻繁にカラムの交換を行ったメールナットは、フェラルがつぶれて液モレを生じることがあります。このような場合に強く締めすぎると、ナットの頭部が切れる恐れがありますので、早目にフェラルを交換してください。
7.トラブルと対策について
高速液体クロマトグラフによる測定時のトラブルには、さまざまな原因があり、そのすべてを列挙することは不可能ですので、ここではカラムおよびその周辺で比較的起こりやすいものを示します。
| トラブルの現象 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 1.カラム圧の上昇 | 異物のつまり 1.溶離液、サンプル溶液中のゴミ、不溶物 2.配管内の水あか 3.プランジャーシールの破片 4.サンプル成分の析出 |
・フィルターを超音波で洗浄する、または交換する ・溶媒、試料溶液を予めメンブレンフィルターでろ過する ・ラインフィルターを装着する ・配管の清掃とプランジャーシールを交換する ・移動相でサンプル溶液を調整する |
| 2.ピーク割れ、テーリング、ブロードニング | ・配管を一度外し再度接続する ・pH、塩濃度、サンプル量等の検討 ・検定用の標準溶液でカラム性能を確認する |
・配管のし直し ・pH、塩濃度、サンプル量等の検討 ・検定用の標準溶液でカラム性能を確認 |
| 3.保持時間が遅くなった、あるいは安定しない | 1.液モレ（ポンプの圧力メーターの動きで判断できます。） 2.移動相条件が不適切 3.カラムの安定化時間の不足 |
・ポンプ、配管系の液モレを調べる ・pH、塩濃度等の検討 ・十分な安定化時間をとる |
| 4.保持時間が早くなった | 1.移動相条件が不適切 2.カラムの安定化時間の不足 |
・pH、塩濃度等の検討 ・十分な安定化時間をとる |
SUCREBEAD Ⅰ/Ⅱは厳密なチェックの後出荷いたしますが、万一不良がありました場合は、お手数ですが、取扱店もしくは弊社までご連絡ください。ただし、カラムの寿命に関する事項やこの取扱説明書に従わずご使用された場合は、保証の責を負いかねます。商品は、お受け取り後10日以上経過した場合、良品受領とさせていただきます。それ以降のお取替えはできかねますので、ご了承ください。
2008年10月1日
更新 2011年5月30日
