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DAISOGEL C8-PKグレードの充填・抜き出し手順

セミ分取または分取用プレパックカラムを超えるスケールへプロセスを拡大する場合、バルクシリカゲルを動的軸圧縮(DAC)カラムに充填する必要があります。本ページでは、DAISOGELの代表的なシリカゲルである、粒子径10 µmのC8-PKグレード(製品名:SP-100-10-C8-PK)について、充填、性能評価、抜き出しの手順を紹介します。

必要なシリカゲル量とスラリー溶媒体積の算出

最初に、カラム充填に必要なシリカゲル量とスラリー溶媒量を算出します。

以下の簡単な計算により求めることができます。

  1. 以下の簡単な計算により求めることができます。
    空カラム:内径 A mm × 全長 C mm
    目標充填ベッド:内径 A mm × ベッド長 B mm
  2. カラム全体のスラリー容量および目標充填ベッド容量を算出します。
    カラム全容量(mL)=(A/2)² × π ×(C/1000)
    充填ベッド容量(mL)=(A/2)² × π ×(B/1000)
  3. 必要な固定相量を算出します。
    シリカゲル量(g)=充填ベッド容量(mL)× シリカ密度(g/mL)

SP-100-10-C8-PKの充填密度は0.58 g/mLです。

その他のDAISOGEL固定相の充填密度については、こちらをご確認ください。

カラム全体のスラリー容量と、目的のベッド長を得るために必要なシリカゲル量が分かれば、スラリーを調製できます

スラリーの調製

上記で算出した必要量のシリカゲルを秤量します。スラリー濃度は少なくとも50 wt%を目安としますが、良好な充填結果を得るためには、より低濃度のスラリーを推奨します。目安として、シリカゲル1部に対してスラリー溶媒3部の比率で調製します。

例として、SP-100-10-C8-PKを用いて内径50 mm × ベッド長200 mmのカラムを充填する場合、2-プロパノール600 mLとC8-PKバルクシリカゲル200 gの使用を推奨します。ただし、調製したスラリーの総量が、前述の計算で求めたカラム全容量を超えないように注意してください。必要に応じて3:1の比率を調整し、空カラムにスラリーを過充填しないようにします。

5 L未満の少量スラリーは、ビーカーや広口容器などで調製できます。乾燥シリカゲルおよび有機溶媒を取り扱う際は、必ず適切な安全対策を行ってください。推奨される保護具には、防じんマスク、保護メガネ、手袋などです。

シリカゲル1部

スラリー溶媒3部

均一混合

シリカゲルは流動性の高い微粉末であり、容易に空気中へ飛散します。皮膚や目への接触を避け、吸入しないよう注意して取り扱ってください。

スラリーは、十分に換気された場所、可能であればドラフトチャンバー内で調製してください。これにより、飛散した乾燥シリカ粉末や溶媒蒸気を適切に排出できます。作業時は必ず所属組織の安全管理方針に従ってください。

少量スラリーの場合は、撹拌棒を用いて手作業で混合できます。DAISOGELのように機械的強度に優れた粒子であっても、強く押し付けると破損する可能性があります。鋭利な金属スパチュラや金属さじの使用は避け、プラスチック製の撹拌棒を使用してください。シリカゲルとスラリー溶媒を十分に混合し、均一なスラリーを調製します。

内径30 cm以上の大型DACカラムを充填する場合は、より多量のスラリーが必要となります。そのため、スラリー調製には大型容器を使用してください。2-プロパノールとシリカゲルの比率は、同様に3:1を目安とします。少量調製時と同じ安全対策に加え、大量のシリカゲルおよび溶媒を取り扱う場合には、各施設で定められた追加の安全対策が必要となる場合があります。安全管理責任者に確認してください。

大型スラリーの混合はパドルによる手作業でも可能ですが、エア駆動式ミキサーの使用も検討できます。また、DACカラムメーカーによっては、タンクやミキサーを備えたスラリー調製システムを提供している場合があります。使用するDACカラム装置メーカーの推奨に従ってください。

微粉除去について

粒子径分布の広いシリカゲルでは、充填後の過剰な背圧の原因となる微粒子を除去するため、この段階で微粉除去が必要となる場合があります。

一般的な微粉除去では、シリカゲルを混合後、ビーカーまたはタンク内で15〜30分静置し、上部に生じた白濁した上澄み溶媒層から微粒子をデカントにより除去します。この操作は多くのシリカゲル、特に粒子径が大きいものや不規則形状粒子では有効な方法です。

一方、C8-PKグレードは単分散性に優れているため、初回充填時には微粉除去は不要です。ただし、抜き出し後に再充填する場合には微粉除去を2回行うことを推奨します。

使用済みシリカゲルをより徹底的に洗浄する必要がある場合は、ゲルを再スラリー化し、反応槽内で撹拌した後、ろ過する方法が有効です。

DACカラムへの充填

スラリーの調製が完了したら、カラム充填を行います。空カラムへのスラリー投入は、使用するカラムメーカーの取扱説明書に従って実施してください。

良好な充填状態を得るためには、スラリーをカラムへ移送する前にシリカゲルを沈降させないことが重要です。カラムへスラリーを充填した後は、沈降を避けるため、できるだけ速やかに(目安1〜2分以内に)充填操作を開始してください。

スラリーは、カラムメーカーの指示に従ってカラム軸方向に圧縮し、均一な充填層を形成します。

作業時は、保護メガネを含む適切な保護具を必ず着用してください。SP-100-10-C8-PKは、ピストン圧70 bar以上、最大100 barを目安として充填します。充填中は漏れの有無を確認し、漏れが認められた場合は、使用するカラム装置の取扱説明書を参照してください。最後に、ベッド長が想定どおりであることを確認します。

カラム効率の確認方法

DACカラムの充填が完了したら、APIの精製に使用する前にカラム性能を確認します。カラム効率は、試験試料を注入して評価します。SP-100-10-C8-PKでは、UV吸収があり且つカラム上で適度に保持されるナフタレンやトルエンなどを試験化合物として使用できます。

一般に、以下の2つの指標により評価します。

理論段数(N)

充填カラムの分離効率を示す指標で、次式により算出します。

N = 5.54 x (tr)2/ (w½)2

N:理論段数

tr:保持時間

w½:半値幅

アシンメトリー係数(As)

溶出した試験化合物のピーク形状の対称性を評価する指標です。良好に充填されたカラムでは、ガウス型に近いピーク形状が得られます。

As = b/a

As:アシンメトリー係数
b:ピーク高さ10%におけるピーク幅の右半分

a:ピーク高さ10%におけるピーク幅の左半分

試験化合物のピークについて、理論段数Nが35,000 plates/mを超え、アシンメトリー係数が0.8〜1.2の範囲内であれば、カラム効率試験に合格と判断します。

50 mm I.D. DACカラムにおけるカラム効率試験条件例

  1. SP-100-10-C8-PK 200 gを2-プロパノール600 mLでスラリー化し、空カラムへ移送した後、100 barで充填します。この条件では約20 cmの充填層長が得られます。
  2. カラムを60%メタノールまたは60%アセトニトリルで、50 mL/minの流速にて4〜5カラム分流し平衡化させます。
  3. 70%メタノール中に試験試料を調製し、250 µLを注入します。試験化合物としては、ナフタレン1.8 mg/mLまたはトルエン10 µL/mLを推奨します。
  4. 注入はデッドボリュームを最小限に抑え、できるだけカラム入口に近い位置で行ってください。また、UVフローセルもデッドボリュームを最小限に抑え、できるだけカラム出口に近い位置に配置してください。
  5. 注入後、60%メタノールまたは60%アセトニトリルを50 mL/minで送液し、ピークが検出されるまで継続します。
  6. 理論段数(N)およびアシンメトリー係数(As)は、データ取得ソフトウェアで算出するか、クロマトグラムの印刷結果を用いて手計算で求めます。

試験化合物混合液を用いたカラム効率試験

DACカラムからの抜き出しとシリカゲルの保管

抜き出し条件は、抜き出したシリカゲルを乾燥状態で保管するか、湿潤状態で保管するかによって異なります。

乾燥状態で保管する場合
塩類の除去が必要な場合は、あらかじめ水で十分に洗浄した後、充填カラムに高揮発性溶媒(メタノールまたはアセトニトリル)を少なくとも4カラム分送液します。その後、DACカラム装置メーカーの手順に従ってシリカゲルを抜き出してください。

抜き出した湿潤シリカゲルは、広いトレイなどに均一に広げ、約70°C条件下で溶媒を蒸発させます。必要に応じて、適切な換気設備下で作業してください。乾燥後のシリカゲルは密栓可能な容器に入れ、低湿度環境で室温保管してください。

湿潤状態で保管する場合
充填カラムにスラリー溶媒(2-プロパノール)を少なくとも4カラム分送液した後、DACカラム装置メーカーの手順に従ってシリカゲルを抜き出してください。

抜き出した湿潤シリカゲルは、スラリー溶媒(2-プロパノール)中に浸漬した状態で、密閉容器に入れて室温保管してください。

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