Cleaning-in-Place(CIP)実施時の検討事項
合成ペプチドや組換えペプチドの精製プロセスでは、充填済みカラムのCIPは、充填層の寿命を延ばすために避けて通れない工程です。CIPは可能な限り減らしたい操作である一方、カラム性能を回復し、原薬製造コストの低減に寄与する重要なプロセスでもあります。
修飾シリカゲルを充填したカラムでCIPを行う際のポイント
まず検討すべき点は、使用するCIP剤です。一般には、中性に近い穏やかな条件の洗浄剤が望ましいですが、強く吸着した汚染物を十分に除去できない場合があります。有機溶媒による洗浄は、疎水性成分の除去に有効な場合がありますが、溶媒のみではカラムを十分に深く洗浄できないことがあります。
穏やかな洗浄剤や有機溶媒のみで十分な洗浄効果やカラム性能の回復が得られない場合、最終的な選択肢として、有機溶媒存在下でのNaOH水溶液によるCIPが用いられることがあります。
NaOHを用いたCIPでは、以下を推奨します。
1.
十分な洗浄効果が得られる範囲で、できるだけ低濃度のNaOHを使用してください。NaOH濃度が高いほどシリカ表面の溶解が進み、リガンドの脱離が促進され、結果としてカラムの保持時間低下につながります。
Retention Time for Naphthalene

Effect of different NaOH concentration on how quickly the column retention time shortens due to loss of bonded ligands.
2.
カラム性能を回復できる範囲で、NaOHによるCIPの頻度はできるだけ少なくしてください。
3.
初回の苛性CIPも、カラム性能を維持できる範囲で、できるだけ多くの精製サイクルを実施した後に行ってください。
SOP上、5サイクルごとにCIPを行う場合でも、初回CIPは5サイクル後、条件によっては10サイクル後まで不要な場合があります。
4.
CIP条件は、カラムに通液するNaOH溶液量ではなく、シリカゲルとNaOH溶液の接触時間を基準に設定してください。
5.
NaOHによるCIP後は、適切な酸性pH溶液で充填層を洗浄し、速やかにカラムを中和してください。
6.
CIPはバックフラッシュ(逆流)モードで実施してください。
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