カラム再生時の推奨事項
十分に充填されたカラムであっても、複数回のサイクルにわたって長期間使用すると、徐々にカラム効率が低下することがあります。特に、不純物量の多い試料に使用する場合はその傾向が顕著です。合成ペプチドや組換えペプチド、さらに凝集・線維化しやすいペプチドの精製に使用する場合、カラム性能が比較的短期間で低下することがあります。
最初の兆候として多く見られるのは、カラム背圧の上昇です。また、ピーク形状の悪化や理論段数の低下も、カラム入口側のシリカ充填層に蓄積した線維化ペプチドなどを除去する必要があることを示すサインとなります。
ポイント
洗浄は逆流方向で行うことを推奨します。汚染物をカラム全体に通過させないことが重要です。
固定相は高価な材料であり、できるだけ長く使用することが求められます。性能低下が見られ始めた充填カラムを再生し、寿命を延ばすには、どのような方法が有効でしょうか。
まずは、90〜100%の有機溶媒でカラムを洗浄することを推奨します。このシンプルな操作だけでも、性能回復に有効な場合があります。この洗浄操作も、逆流方向で実施することを推奨します。
再生にはどのような溶媒を使用すべきか
ペプチドは通常、疎水性相互作用、シラノール基との静電的相互作用、水素結合など、複数の相互作用を介してシリカに吸着します。そのため、カラム再生を成功させるには、これらの相互作用をできるだけ抑制することが重要です。また、ペプチド同士の分子間相互作用を抑えることも重要です。
尿素、アンモニア水、Tris緩衝液は、ペプチド相互作用を抑制する試薬として知られています。特にTris緩衝液(10 mM、pH 9〜10)は、ペプチド凝集の抑制や溶解促進に有効です。また、相互作用の抑制や溶解にはpHも大きく影響します。適切なpHは予測が難しく、ペプチドの等電点に大きく依存します。
一般に、疎水性相互作用を抑制するには50〜60%程度の有機溶媒が必要です。また、シラノール基との相互作用を抑制するためには、アンモニウム、ナトリウム、アミン類などのカチオンが必要となります。
これらにより、凝集体を解離させる作用と、有機溶媒による脱着作用が同時に働き、解離したペプチド線維断片をカラム外へ洗い流すことができます。この二つの作用が効果的なカラム洗浄には重要であり、カラム寿命の延長に貢献します。
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